令和2年　年末調整　その①

まずは給与収入が500万円の場合です。

この場合は、この用紙の裏面の算式で給与所得の金額を求めて、48万円の控除が受けられるというオーソドックスなパターンです。

なお、区分Ⅰ欄は『Ａ』『Ｂ』『Ｃ』『空白』の4種類となります。金額に応じて記載しましょう。配偶者控除・配偶者特別控除の計算で使うこととなります。

次は給与収入800万円、他の所得300万円の場合です。

給与収入は先程と同じく、用紙裏面の算式で計算し、所得金額を求めます。

その給与所得額に他の所得を合算して表から該当する箇所を選びます。

基礎控除は48万円のままですが、区分Ⅰ欄がＢとなっており、配偶者控除・配偶者特別控除の金額が減ります。

（画像はありませんが、合計所得が950万円超～1,000万円以下のときは、Ｃと記載します。）

次は給与収入800万円、他の所得400万円の場合です。

給与収入は先程と同じく、用紙裏面の算式で計算し、所得金額を求めます。

その給与所得額に他の所得を合算して表から該当する箇所を選びます。

この場合も、基礎控除は48万円のままですが、区分Ⅰ欄が空欄となっており、配偶者控除・配偶者特別控除の適用がありません。

次は給与収入800万円、他の所得1,800万円の場合です。

このような所得体系の方は、あまりいらっしゃらないと思われますが、一例としてご一読ください。

給与収入は先程と同じく、用紙裏面の算式で計算し、所得金額を求めます。

その給与所得額に他の所得を合算して表から該当する箇所を選びます。

この場合は基礎控除は32万円に減少し、区分Ⅰ欄も空欄となっており、配偶者控除・配偶者特別控除の適用がありません。

（画像はありませんが、合計所得が2,450万円超～2,500万円以下のときは、基礎控除が16万円です。）

（画像はありませんが、合計所得が2,500万円超のときは、基礎控除はありません。）

①　給与所得について

給与所得の欄については、従業員が記載してこない場合でも、経理担当者が計算することはできると思います（事務負担は増えますが）。

また、見積りで書くため、判定ラインギリギリの場合には、実際と異なる場合があるので、経理担当者が直しましょう。

実際に、毎月の給料の年間合計額を収入ベースで答えられる人は少ないと思いますので、たとえ資料を回収して空欄であったとしても、しっかりとフォローしましょう。

②　給与所得以外の所得の合計額

給与所得は会社で記載できるものの、給与所得以外の所得の合計額は本人に記載してもらう他ありません。

給与所得以外の所得の合計額を職場に伝えることに抵抗がある人もいるかと思われますので、かなりデリケートな問題を含んでいると個人的には思います。

しかし、経理サイドの立場の人間としては、記載してくださいと言うしかありません。